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2021年01月27日
熊とにんげん
ずいぶんとまえ
上田真而子さんの講演会に参加したとき
ドイツ語の
フィンデン
という言葉について
話されていました
物語を読む
ということは
物語の世界に遊んで
かえってきたときに
いま目の前の現実を
フィンデン
みつける 発見する
つまり
大きな視点で
とらえなおす
みたいなことだった記憶があります
この本の後書きに
上田真而子さんは
これまでに、ドイツ語の児童書を
かなりの冊数訳してきましたが、
その中で、わたし自身いちばん好きなのが、
この『熊とにんげん』です。
と書かれています
物語にそえてある
ライナー・チムニクの絵
なかでも
季節がうつりかわってゆく様が
なんとも
ステキです
氷のはった湖でする玉ころがし
水たまりにはった 薄氷を
ふみわる 熊おじさんと 熊
りんごの花やアフリカからのわたり鳥
月の満ちるころに小麦を刈り入れる農夫たち
ときには
だれかとなにかと戦って
自らをまもることもある
そんないなか道を
旅するおじさんと
友だちの熊の物語
熊と人間
でも
くまと にんげん
でもなく
熊とにんげん
の物語をあじわって
あなたの日々のなかにある
みすごしていたものを
どうぞみつけてみてください
熊とにんげん
ライナー・チムニク/上田真而子
徳間書店
山口 敦子
リブロ 新大阪店