たまたまこの本の編集者の
松田素子さんのお話をきく機会がありました
松田さんは(もとの連載は)
かなり長いので削ろうとおもったけど
どれもおもしろくて
削るところがなかった
みたいに言われていました
わたしが大竹さんを知ったのは
写真絵本でした
それから
このエッセイの舞台になった
北米のノースウッズの写真集の写真展が
たまたま近所のフォトギャラリーであり
大きなプリントを目にすることができ
写真ってこんなにステキなものなんだなあ
ってうれしくなりました
ギャラリーにはご本人も
いらっしゃいましたが
先にこの本を読んでいたら
思い切って話しかけていたかもしれません
この本のなかに
スピリチュアル・クエスト
という言葉がでてきます
写真家の第一歩をどんなふうに
スタートさせたかという物語ですが
とにかく偶然の連続で
読んでいて
わくわくします
天の導きがあったとしたなら
その幸運は
大竹さんが
まっすぐに自分の望みを天に求めたから
と感じます
印象的な場面がたくさんあるのですが
なかで
大竹さんが
憧れの写真家の前で泣いてしまう場面
その世界的に有名な写真家の方が
泣くことは全く悪いことじゃない
それは…
そのあとの言葉で
泣くという行為を
スパっと表現されていて
なるほど
アーティストというのは
人や世界を
こういうふうにとらえるんだなあ
って しみじみしました
この本を読みながら
大竹さんと
ノースウッズの旅にでて
帰ってきたら
あなた自身の
スピリチュアル・クエスト
にでてみようと
おもえるかもしれません
そして、ぼくは旅に出た。
大竹英洋
あすなろ書房
山口 敦子
リブロ 新大阪店