ショートケーキ。

皆さんは、ケーキが好きですか？またケーキと言えば、何を思い浮かべますか？私は、やっぱり、生クリームたっぷりのショートケーキです。なので、この本のタイトルを見たときには、読むしかないなと思いました。

有名なケーキ屋さんのお話でもなければ、ケーキを極めるパティシエさんのお話でもありません。量産されている、お手頃に買えるケーキにまつわる５つの短編集です。１つ目の作品は、ショートケーキがメインのように思えます。が、２つ目の作品からは、登場人物たちにそっと寄り添うような形で登場してきます。甘いものが苦手で考えるのも避けたい方でも読めるような、自然な登場のしかたです。

私のように甘いものが大好きな方もご安心ください。この作品を読んだら食べたくなるのでは？と思われるかも知れませんが、不思議と食べたいより、眺めたくなります。そして、ふふふふと笑いたくなります。短編集なので直接は繋がっていませんが、同じケーキ屋さんに、またはケーキ屋さんで働いている方が出てきますので、最初から順番に読むことをオススメします。

ショートケーキ。
坂木司
文藝春秋