被疑者、加害者側には、弁護人、身元引受人、後見人がいることは知っていました。でも未成年を弁護する人を付添人と呼ぶことは知りませんでした。犯罪を犯してしまったとはいえ、未来のある子どもたち。できるだけ将来のことを考えるのが、子どもを守る大人の目線ではないでしょうか。
付添人のオボロさんは、子どもたちの将来より、まず過去を探ります。ひざを曲げて子どもたちに目線を合わせても、結局子どもの理解はできません。オボロさんは子どもと同じように同じものを見て、自分なりに子どもの立場になるのです。付き添うと言うより、寄り添っているようなイメージでした。
舞い込んでくる事件は一筋縄ではいきません。子どもとも話をしないといけないし、親とも話をしなくてはいけません。その親の心にも寄り添うオボロさん。事件が終わったら、はい終わり!ではなく、その後も電話がかかってきます。その温かい内容と言ったら。ホロリと泣けてきます。
何故犯罪を犯したのか、子どもの叫びを聞き逃していないかなど、現実の問題としても重要なことです。罪を犯すまで追い詰められた子どもたちの叫びを受け止めてくださいませ。読者にも付き添ってくれるのがオボロさんです。発売は9月22日予定です。ご予約をお待ちしております。
付き添うひと
岩井圭也
ポプラ社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店