高島太一は五人に殺されたいと思われるぐらい何を犯したのでしょうか。高島太一と五人の関係は塾の講師仲間です。決して仲が悪かったわけではないのです。仲間に対して高島太一はどんな恨みを買ってしまったのでしょうか。
殺ろしたい!と思ったきっかけは同じでしたが、結束して殺したわけではなく、バラバラで計画を立てて、まさかの現場で顔を合わせてしまった五人。ここは結束したほうが早いと言うことで、完全犯罪を目論見ます。
これはどうだ?いや、こうしたほうが?それは理屈が通らない。それは不自然だ。などなど、講師陣同士の会話なので筋がしっかりと通っているし分かりやすいです。そして気づいたら一緒に考えている自分がいました。
おかしい。いつの間にか一緒に高島太一を殺そうとしているのです。私は彼になんの恨みもないのに。気づいたら自分もちゃっかり仲間に加わってしまうような自然なミステリーです。さて計画は成功するのでしょうか。ぜひ読んでみてくださいませ。
高島太一を殺したい五人
石持浅海
光文社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店