真珠とダイヤモンド | NICリテールズ株式会社
NIC RETAILS
2023年02月17日

真珠とダイヤモンド

懐かしさを感じさせてくれる表紙にまず惹かれました。どことなく昭和の匂いがするイラストで、舞台になっているもの昭和から平成にかけてのバブル時代でした。証券会社で知り合った男性1人と女性2人。お金と恋愛にまつわる作品かなと思っていたら、お金と友情と人生にまつわる作品でした。

証券に関して専門的に長々と描かれると読んでいて疲れてしまいますが、この作品のメインはそれぞれの人生なので、儲かったか損したかだけが明確に描かれておりスラスラと読めました。お金は人格を変えますね。その変わっていく様がワクワクさせてくれます。

上巻ではタイトルの『真珠とダイヤモンド』の意味は分かりません。主人公が女性2人なので、例えで表しているのだろうなとは想像が付きます。上巻を終わったときに予想をつけてから下巻へ進むとより楽しめるかなと思います。また上下巻に分かれていると、どうしても下巻では集中力が途切れがちになりますが、この作品は下巻のほうがスピード感が増します。くどくどと描かれることなく、でもしっかりとストーリーがあるので最後の1文まで楽しめました。

真珠とダイヤモンド 上
真珠とダイヤモンド 下
桐野夏生
毎日新聞出版

嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店

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