滅茶苦茶 | NICリテールズ株式会社
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2023年05月22日

滅茶苦茶

本来いい意味で使われない“気分が悪くなった”や“気持ち悪かった”が褒め言葉なのは、イヤミスと呼ばれる小説の長所ではないでしょうか。

今回の染井為人さんの『滅茶苦茶』は、最後の数ページまで気分が悪かったです。フィクションの世界ならそこまで思わなかったでしょう。ですが、設定はダウンロック中の社会。持続化給付金やオンライン授業など、何かしら体験しているのでイメージが付きやすいのです。よくここまで悪いところを集めたな、と感心してしまいました。

染井さんの言葉のパワーに圧倒されながら、気分が悪くなるのにページをめくる手が止められませんでした。どんでん返しがあるわけではないのですが、最後の数ページまでたどり着くとこの本を読んで良かったな、と思わせてくれるのです。めちゃくちゃおもしろいです!

滅茶苦茶
染井為人
講談社

嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店

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