発売されたのは13年ほど前になります。この度映画化が決定し、また注目を浴びだしている嶽本野ばらさんの『ハピネス』。当時、嶽本さんの、“〜かしらん。”という語尾が印象的でした。
ロリータをこよなく愛する女子高生が、余命1週間であることを彼氏くんに伝えるところから物語は始まります。余命が1週間なのに湿っぽさが全くありません。 女の子と家族の潔さ。そして強さと弱さに心を打たれます。
また彼氏くんの対応力がまたすごいです。大切な人が目の前で苦しんでいるのに何もしてあげられない。何か特別なことをされることを嫌がられるので、できるだけいつも通りに接しようとする彼氏くん。たまに爆発してしまいますが、またそこが胸にささります。
登場するファッションブランドのinnocent worldは本当に可愛らしい西洋のお人形さんのようなドレスなので、ぜひ検索してから読み始めてみてくださいませ。より物語の世界観を堪能していただけると思います。
ハピネス
嶽本野ばら
小学館
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店