書店員にならなければきっと出会わなかったであろう写真家・星野道夫さん。
私が彼を知ったのは、早逝から既に8年が経った頃(事故により96年急逝)。手に取った写真集のアラスカの大自然、シロクマ、オーロラ、ムースやヘラジカ、深い森を収めた美しい写真の数々に魅了されました。
さらに心を掴まれたのが写真と共に綴られたエッセイの数々。厳しい自然の中で何時間も被写体を待ち続けた筆者が紡ぎす言葉は淡々と静かで、大げさ・饒舌さとは無縁。思想や哲学を感じさせる雰囲気もありながら、自然で心地よいものばかりです。
文庫になったエッセイの中でも、特にこの「旅をする木」は常設している書店も多く、新たな読者を増やし続けているはずです。また、現在入手できる写真集は少ないのですが2020年10月に2タイトルの刊行が予定されています。写真とエッセイ、両方の魅力にぜひ触れてみてほしいです。
旅をする木
星野道夫
文藝春秋
本体600円
悠久の時を旅する 新版
星野道夫
クレヴィス
本体2,500円
東海エリアの魅力発掘ウェブマガジン「HIROBA!」より
室石
Carlova360名古屋店