宝石商リチャード氏の謎鑑定
10冊めです
アニメ作品から
宝石商の話なんだ
石がたくさん出てくるんだなあ
とごく軽い気持ちで 原作を読み始めたら
幾重にも いろんなものが
ちりばめられていて
びっくりしました
10冊めの舞台は
紅茶の国 スリランカです
リチャードと
中田正義くんとのつながりも
深く育まれてきて
お互いのこみいっていて
とてもほどけることはないだろう
とおもっていた重たいものを
ひとつひとつ
お互いにときはなつ旅も
そうか
ここまできたんだなあ
って しみじみします
わたしがなかでも心惹かれたのは
デボラさんとの会話でした
わたしは
最初 この物語は
正義くんが
リチャードと出逢って
宝石の世界の扉を開けて
成長していく物語のように
感じていました
だけれど
麗人リチャードもまた
自身のかかえる闇に
光を灯していく物語なんだなあ
って胸がいっぱいになりました
そして
あなたの美しい顔は気にならない
というデボラさんではなく
お前は ほんとうに美しいなあ
と連呼?する正義くんによって
忌み嫌っていた自分の美貌を
つまり自分を
うけいれることが
できた
ということに
胸をうたれました
人と人が出逢うということは
なんてふしぎで
味わい深いのだろうな
とおもわずにはいられません
紡がれる物語に
ため息がでる
そんな一冊です
宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀
辻村七子
集英社オレンジ文庫
本体620円
山口 敦子
リブロ 新大阪店