表紙を見て、気になったら読まずにはいられない性格です。今回も吸い込まれそうな表紙だったので手にとってみました。表紙と同じように内容にも吸い込まれました。
あらすじを読むと、ヤクザ、警察、弁護士の三つ巴です。実際にそうなのですが、その背景がおもしろかったです。警察と弁護士を振り回すヤクザ。慎重に物事を見極めようとする弁護士。そして、“いい”警察官。キャラ設定は、懐かしさを感じさせてくれるような、人情味のあふれる登場人物たちです。そして、展開はなかなか読めないので、最後までワクワクさせてくれました。
読み終わった後に、“あぁ、それであんなことを…”など余韻がまた心地よかったです。読んでいるときは、展開がおもしろすぎてそれどころではありませんでしたが、読み終わってホッと一息つくと、目頭が熱くなってきました。表紙を見て、吸い込まれそうになったらぜひ、そのまま吸い込まれてみてくださいませ。
闇の余白
石川智健
光文社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店