暑さもだいぶ和らいできましたね。皆さんは、こういう時はこの作家さんの本が読みたいな、と思うことはありませんか?私はミステリーばかりを続けて読んでいたわけではありませんが、何となく癒やされたいなと思い浮かんだのが瀬尾まいこさんと原田マハさんでした。
今回手にとったのは、原田マハさんの『カフーを待ちわびて』です。沖縄の時間は本土と違ってゆっくりに感じます。本を読んでいてもそのゆっくりさが描写や主人公の性格から伝わってきました。“カフー”とは“果報”のこと。いい知らせを待っているお話です。待ちすぎて、逃しそうになります。その度に行動しようとするのですが、やはり待ってしまいます。
舞台が大阪だったら多分イライラして、途中でリタイヤしていたかも知れません。何とかなるだろうとのんびり構えていられるのは沖縄マジックですね。それでも途中からもどかしさを感じ始めました。癒やされたくて読み始めた本なのに、結末が気になり集中して読んでしまいました。原田マジックですね。読書の秋のスタートに丁度よい長さとスピード感を持っている1冊だと思います。
カフーを待ちわびて
原田マハ
宝島社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店