ふるさと銀河線 | NICリテールズ株式会社
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2022年09月15日

ふるさと銀河線

今回紹介するのは大阪ほんま本大賞受賞作品の『ふるさと銀河線』です。大阪ほんま本大賞は、大阪の書店と問屋さんが読んで本当に楽しかった一冊を決めたそうです。

ふるさと銀河線は北海道の話で、作家の髙田さんは兵庫県の出身なので、“なんで大阪ほんま本”なんだろうと疑問に思っていましたが、説明を読んで納得しました。大阪人といえば、話にオチを求める。ボケとツッコみを求める。そのタイミングがズレたらダメ出しをされる。誰でも思い浮かぶような結末じゃなくて、意外性も求める。のようなイメージが強いかもしれません。そう思っている方にこそ、大阪人が何を楽しいと思うのかを知ってもらいたいです。

この本には、一言で表すと“人情”が詰まっています。おもしろくはないと思いますが、口元は綻びます。ご近所付き合いが少なくなってきましたが、本の中では、電車から見える景色を通じて繋がる他人の温かみがあります。

カレー粉とうどん粉を混ぜて作ったようなカレーが出てくるのですが、カレーと言えばルーやレトルトしか思い浮かばなかったので、母に電話で事情を話して作れるか聞いてみました。東京なら豚肉、でも母の母は鶏肉で作っていたそうです。お肉はどうするか聞かれて、ここまで来たらふるさとにこだわろうかなと思い、鶏肉を希望しました。本がきっかけで、私は母の思い出の味を知ることができそうです。

ふるさと銀河線
髙田郁
双葉社

嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店

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