鎌倉うずまき案内所

朝晩がぐっと冷え込んできました。季節の変わり目は体調を崩しやすくなります。対処法は人それぞれです。私は最近体が重く感じることが増えました。疲れているのか、食べ過ぎなのかはさておき。そんな時の私の対処法は、心が軽くなるような本を読むことです。

『鎌倉うずまき案内所』は、悩んでいる方の元に現れる不思議な案内所です。出迎えてくれるのは双子のおじいちゃんと所長のアンモナイトです。こうしたほうがいいですよ。などのアドバイスをくれる訳ではなく、“ナイスうずまき！”と、親指を立ててくれます。

悩み事の大半は、もう自分自身の中では答えがあって、背中を押してもらいたいことが多いですよね。うずまき案内所は背中を押してくれる変わりにラッキーアイテムを教えてくれて、キャンディがもらえます。いつ、どのタイミングでラッキーアイテムと出会うかは分かりません。それを見逃さないようにするのは悩んでいる本人次第です。

この本のおもしろいところは、各章ごとに令和元年から平成元年に遡っていくのです。“あ！この人”や、“このセリフ！”など、読み終わったあとも見逃さないものが、読者側にも散りばめられています。気づけたとき、心がはずんで、軽く感じられる小説です。

鎌倉うずまき案内所
青山美智子
宝島社