ライオンのおやつ

今まで、小川糸さんの本を読んだことがなく、『ライオンのおやつ』が発売してすぐに文庫売上ランキングのトップ10に入ったので、それは１度読んでみないと。と思い、手に取りました。ホスピスのお話です。なので主人公の結末は分かっています。分かっていても、泣けてしまうんですね。最後もですが、もう最初の方から涙腺がゆるかったです。

そのホスピスでは日曜日におやつの時間があります。最期に食べたいおやつを再現してくれるのです。“私なら何かなぁ”って思いながら読んでいました。最期に食べるものなので、思い出がいっぱい詰まっています。苦しかったことも、楽しかったことも、いっぱい詰まっています。いつお迎えが来るか分からないので、食べられないかも知れません。

穏やかにその時を待つお話なのですが、すごく“生”を感じました。皆さん、生きているんですよね。そのパワーを感じてポロポロと泣いてしまいました。主人公のリクエストしたおやつより、最期に残した言葉のほうが印象的でした。

読み終わって、私はとあるケーキ屋さんのショートケーキが食べたいなと思いました。皆さんが、最期に食べたいおやつは何ですか？

ライオンのおやつ
小川糸
ポプラ社