10月頃からの新潮社文庫の新刊には、私の興味がそそられるものが多いです。今回も新刊の1冊を紹介させていただきます。望月諒子さんの『殺人者』です。
子どもの頃やんちゃをして、補導歴のある男性たちが殺されていきます。15年経って何故今ごろ殺されたのでしょうか。犯人としてとある女性が浮上します。
主人公であるフリールポライターの木部美智子は、本当にその女性が犯人なのか疑問を持ち始めます。真実を知りたいと言う執念で答えを探すのですが、殺人を犯す動機として、まさか!?と思うような推論をします。“まさか!?”と思いつつ、“あり得るかもしれない”とゾクッとしました。これは同じ女性でも意見が分かれると思います。
犯人どころじゃなく、その推測か当たっているのかどうかがすごく気になりました。これは、ぜひ読んだ方と討論してみたい!と思いました。年にそれなりの冊数を読んでいますが、この推論はガツンと頭を殴られたような衝撃でした。ぜひ、読んでみてほしいです。
殺人者
望月諒子
新潮社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店