“読んだ!”という達成感を欲して、久しぶりに上下巻ものの作品を読んでみました。達成感だけではなく、ストーリーのおもしろさ!今年もたくさん読まさせて頂きましたが、私、個人の今年の1番おすすめ本は、『神の子』になりました。それぐらい、良かったです。
プロローグからもうおもしろいのです。これはもう1番盛り上がる場所ではないのか?と思うぐらいです。第1章、2章と話が進むにつれて、どんどんおもしろくなるのです。展開のテンポが良いわけではありません。読者にたいしての焦らし方など、全てが巧妙なのです。
母親に出世届を出してもらえなかった天才児。
知能障害があって、捨てられてしまった子ども。
母親に見捨てられ、祖母に育てられた子ども。
生まれてすぐ、施設の前に置き去りにされて子ども。
全く過去が分からない子ども。
これだけ聞くとすごく悲惨ですし、内容も重く、暗く感じますが、ぜひ読んでほしいです。彼らたちは教えてもらえなかっただけで、知らないからこそ分からないのです。でも、ちゃんと教えていけば、伝えていけば、彼らたちは、しっかりと身につけてくれます。
読み終わった後の達成感と爽快感。ぜひ、体感してくださいませ。
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店