初笑いをしようと思い、表紙とタイトルから選んでみました。大笑いする要素がなく、熱くなる小説でした。このイラストは笑わせないとダメでしょう。と思いながら、スカッとした気分で読み終えられる小説です。
舞台は大阪です。方言が多い小説でいつも思うのは、編集者さんのすごさです。関西弁をひらがな表記にするとそこそこの長さになります。“なんちゅーこと、言うてんねん。そんなことぉあかへんにきまってるやん。お前はなぁ〜”など、小さな文字が入ってきたり、本当にそれが正しいのか調べられていると思うと、すごい労力だなと。私自身生まれも育ちも大阪ですが、何を言っているんだろう?と思うことが多いです。それでも雰囲気で読めてしまう、親しみやすさも関西弁の良いところかも知れませんね。
何でもソツなくこなす兄と、不器用だけど周りに愛されている弟の青春物語です。お年頃の年齢なので、お互いが素直になれません。大きなトラブルに巻き込まれて…などもなく、自分は何がしたいのだろう?を探し合いながら、少しずつ歩み寄るほんわか兄弟小説でした。
戸村飯店青春100連発
瀬尾まいこ
文藝春秋
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店