久しぶりに海外ミステリーを手に取りました。海外小説で区別がつきにくいのが名前ですよね。あだ名になると新しい登場人物かな。と思うぐらい変わってしまいます。
『死の接吻』は登場人物が限られているのと、章によってメインの女性も変わるので名前で迷うことはありませんでした。誰がどう殺されるのかも、犯人目線で描かれているのにも関わらず、あれ?この人じゃなかった。じゃあ、誰だ?と、迷ってしまいます。読み手側が勝手に、この犯人は、いつだ!って思い込んでいるだけでそうとは描かれていないのですね。まんまと引っかかった!というミステリーならではのスリルも味わえました。
読み終わってから気付いたのですが、携帯やスマートフォン、マクドナルドやスターバックスなど、今ならあって当たり前のものが出てきません。初版は1950年代に発売されたものだったのです。今から60年も昔の小説なのですが、古くささを感じることなく楽しめました。
死の接吻
アイラ・レヴィン/中田耕治
早川書房
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店