ザ!恋愛小説もたまに読みますが、歳を重ねることに胃もたれするような感覚があります。苦味の後に程よく甘い恋愛小説と言えば、中田さんの著書ではないでしょうか。今回紹介する『吉祥寺の朝日奈くん』は短編集です。
1作目は交換日記に書かれている日記だけで展開していきます。人の日記帳を盗み見るのは、何故こうもワクワクするのでしょうか。
2作目、3作目は恋愛より友情を大事にした男子高生がメインとなっています。女の子の気持ちをないがしろにしているわけでなく、程よく絡んでいるのがまたいい感じでした。
4作目はコンプレックスがある女子高生と、そのコンプレックスに魅力を感じている男子高生のお話です。女の子がまた、たくましくて。一番恋愛小説っぽく、一番笑えました。
5作目はタイトルにもなっている『吉祥寺の朝日奈くん』です。少し大人な恋愛小説でした。時代が少し前の設定なので、ラインではなくメールでやり取りをしているのが新鮮に感じました
これが一番オススメです!という作品を決めるのが難しいぐらい、どれも素敵でした。
吉祥寺の朝日奈くん
中田永一
祥伝社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店