また東野圭吾さんが素敵な物語を生み出してくれました。今回紹介させていただく『クスノキの番人』は、ただクスノキの番をしているだけではありません。
ひょんなことから番人を命じられた主人公。何も説明を受けず、ただ言われたことだけをこなしていきます。祈念にくる参拝者さんたちが、どのように祈っているのかも知りません。“いずれ、分かる。”としか説明されないことに、モヤモヤとしつつ日々を送っています。主人公は、一人前の番人になれるのでしょうか。
読み進めながら、読者も番人の仕事の内容が何となく見えてきます。参拝者さんたちが内容を濁すところは、主人公と同じようにあまりいい気がしません。ですが、仕事の役割を知ったときの想いは主人公と同じように熱くなります。
クスノキの番人
東野圭吾
実業之日本社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店