私が先生を殺した

防災訓練後の集会中に屋上から教師が飛び降り自殺をしました。目撃者は全校生徒です。しかしその教師の受け持ちのクラスの黒板には、“私が先生を殺した”と書かれていたのです。一体どういうことなのでしょう？物語はここから始まります。

受け持っていたクラスは高校３年生です。受験でそれどころではないのに担任の飛び降り自殺。その原因は一体何だったのでしょうか。何人かのクラスメイトの視線で語られていくのですが、自殺の原因が何やら奥深そうなのです。先生に嫌悪感を持っている生徒、程よい距離感で付き合っている生徒、度を越えた好意を抱いている生徒の視線から語られる先生像。そして最後は先生自身の視線から語られる真相。

教育現場の問題、生徒の抱えているストレスなど、教育問題と先生自身の葛藤が読みやすく描かれています。気付いたら一気に読み終わってしまいました。

私が先生を殺した
桜井美奈
小学館