認知症と聞くと高齢者さんがなりやすい病気。徘徊したり、食べたことを忘れて、何回もご飯を食べたりするので、目を離せない病気というイメージがありませんか?私は、ありました。『オレンジランプ』は認知症の旦那さんとその家族のお話です。
旦那さんの年齢はまだ30代なのです。最初は軽い物忘れから始まり、だんだんと忘れるものが増えていきます。症状を遅らせる薬はあっても、完治させる薬はありません。子どももまだまだ小さいので、お金もかかります。家族はどのように暮らしていくのでしょうか?と書くと、少し重い内容に感じます。
しかし『オレンジランプ』にはその重さがないのです。認知症で知られている症状は一部であって、全部ではないことを教えてくれます。タイトルのようにほんわかとした光と温かみのある物語でした。ウルウルとはしますが、それよりほほえましかったです。
オレンジ・ランプ
山国秀幸
幻冬舎
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店