５２ヘルツのクジラたち

2021年本屋大賞受賞作の『52ヘルツのクジラたち』が、遂に文庫化されました！早速読ませてもらいました。

町田さんの小説は、読み終わる時はスカッと気持ちが良いですが、表現や設定が辛辣なことが多いです。きれい事だけじゃないんだよ。うまくいかないことのほうが多いんだよ。ということを教えてくれます。

今回の設定もすごいです。ネグレクト、DV、虐待など、様々な社会問題の要素があります。バラバラなようでいて繋がっている問題。改心する親のほうが少なくて、トラウマを克服できる子どものほうが少なくて、それでも手探りで生きていこうとするす姿に胸が打たれます。

ホロリと胸が温かい感動というより、甲子園やスポーツ観戦をしたときに流れるような、熱い涙がこぼれるような感動があります。ぜひ手にとってみてくださいませ。

５２ヘルツのクジラたち
町田そのこ
中央公論新社