食堂かたつむり

ある日仕事から帰ったら、家財道具ごと恋人から去られてしまった主人公。あまりのショックに声も失ってしまいます。手元に残ったのはおばあちゃんから受け継いだぬか漬けのみ。大事な壺を抱えてふるさとに戻ることにしました。そこから物語は始まります。

母娘関係がぎくしゃくしていたのでふるさとを出たはずなのに、戻ることになってしまった主人公。お母さんに頭を下げてお金を借り食堂を開くことになりました。

皆さんも“ご飯何食べたい？”と聞かれたときに、“何でもいいよ。”と答えた記憶があるかと思います。でも本当に何でも良いのかと聞かれたら違うのですよね。出されたものを、これじゃなかった。と思うことも多々あったと思います。食堂かたつむりでは、１日１組限定でまず面談を行い、提供する料理を考えます。リクエストしたら作ってもらえるし、こんな感じなものを…とアバウトなも考えでも形にしてくれます。“そう！これが食べたかったんだ！”にピシャリと当てはまると、人は本当に幸せな気分になれるのではないでしょうか。

主人公は声を取り戻すことができるのでしょうか。そして母娘関係は！？出てくる料理とそんな人間関係を楽しめる作品です。

食堂かたつむり
小川糸
ポプラ社