最初に発売されたのが2年前。その時からずっと話題になっていた問題作が、遂に文庫本になりました。“すごかった。”です。
好みに関して他人と被ることもあれば、分かれることもあります。分かれたとしても特に不思議に感じずに、受け入れることができる場合がほとんどです。しかし好みは常に二択ではありません。もっとたくさんの選択肢があります。その選択肢が自分の考えていた範疇を超えた場合、私たちは受け入れられるのでしょうか?
“多様性”を大事にしようとする社会になってきています。なので、本来であれば自分の考えていた範疇を超えた場合でも受け入れなければいけません。人それぞれ違うのですから。
この小説は理解の範疇を超えた場合の物語です。私自身はそれでもいいんじゃないのかな。と受け入れましたが、“そんな訳ないだろう。誤魔化しても騙されないぞ!”と思う方のほうが大半かも知れません。とにかくすごかったです。
正欲
朝井リョウ
新潮社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店