是枝監督の作品は映画でも小説でも楽しめるものが多いなと思います。
病院の過失で取り違えられた子どもたち。血の繋がった親元に返すのが正解なのでしょうか。それとも、育ての親の元で生活するのが正解なのでしょうか。その事実を知るまで幸せだった2家族。事実を突きつけられてから歯車が狂いだします。
何かあってから血の繋がっていないことを知るよりかは、その前に知っておいたほうがいいでしょう。それは分かるのですが、分かっているのですが、心がついていかないのです。親としての葛藤、夫婦間の温度差、母親として気づけなかったことに対する罪悪感。そんな両親の不穏な空気を感じる子どもたち。親子たちがくだした決断とは?
読んでいる途中は苦しくなることもありますが、最後は読んでよかったなと思える作品です。
そして父になる
是枝裕和/佐野晶
宝島社
嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店