世界でいちばん透きとおった物語

今一番話題になっている文庫本ではないでしょうか。流行に乗って読んでみました。

故人となった作家である父親の遺作を探す息子と愛人の息子の物語です。これだけ書くと、作家としてはともかく、人としてはあまり尊敬できません。主人公は愛人の息子さんのほうなのですが、１度も父親と会ったことがありません。遺作を探すためにいろんな方から話を聞きながら生前の父親の姿を垣間見ていきます。

読み勧めながら、主人公と一緒にどこに遺作があるのかな？と考えるのは、故人からの挑戦状を受けたみたいで楽しめました。そんな推理ゲーム要素も楽しめつつ、最後にはきっちりと答え合わせをしてくれます。

『世界でいちばん透きとおった物語』は見つかるのでしょうか。そして、私たちは読めるのでしょうか。ぜひ探してみてくださいませ。

世界でいちばん透きとおった物語
杉井光
新潮社